Autism Research Institute

心の理論

ステファン(スティーブ)・エデルソン博士

自閉症の分野で比較的新しい仮説の1つに「心の理論」と名付けられたものがあります。この考えは1995年、 サイモン・バロン コーエン (Simon Baron-Cohen) 博士の著書「マインド・ブラインドネス(Mindblindness, Cambridge, Mass.: The MIT Press ))やScientific Americanに1993年にウタ・フリス(Uta Frith)博士によって書かれた記事と共に大変注目を集めてきました。

心の理論は、多くの自閉症の人々は他者がそれぞれプランや考え、見解を持っていることが理解できないという考え方のことです。さらに、自閉症の人たちは他者の信念、態度、そして感情を理解することが困難なようです。

この心の理論をテストするため、 精神遅延を伴う子供や自閉症を持たない子供に多くの実験がなされましたが、どうやらこの理論の現象は自閉症の人々だけに特有なもののようです。さらに、 心の理論は知能とは関係ないようです。というのは、アスペルガー症候群の人々でさえ多少問題を呈しているからです。

興味深いことに、自閉症の人々は他者が何かを知らないということを理解することも困難です。特にサバン的能力のある人々は、質問をしたとき、相手が答えを知らないと腹をたてることがとてもよくあります。

他者が自分たちと違う思考をするということを理解しないため、自閉症の人々の多くは社会的な関わりやコミュニケーションを持つことに問題があるのかもしれません。つまり、他者の様々な状況における言動が予期できないということです。友達やクラスメートも思考や感情を持っているということが理解しがたいため、自己中心的になったり、利己的になったり、思いやりに欠けるように見えるのかもしれません。

これは自己中心的な世界観ですが、心の理論では、自閉症の人たちは他者より優れていると思っているとは全く示唆していません。

自閉症の人たちにどのように他者の思考や考えを理解し、認めることを教えるかというのは非常に大切な質問です。この概念を自閉症の子供や成人に教えるときに使われる方法の1つに「ソーシャル・ストーリー」というキャロル・グレイが考え出した介入法があります。この短いストーリーには、自閉症の人たちが自分自身や他者をよりよく理解するのを助けるいろいろなシナリオが例示されています。ストーリーは自閉症の人たちが他者について質問するきっかけを作ったり、少なくとも人はそれぞれ違った考え方をするということを気づかせるのに役立ちます。情報冊子はキャロル・グレーから$5で購入できます。住所は Consultant to Students with Autism, Jenison Public Schools, 8375 20th Avenue, Jenison, MI 49428です。