Autism Research Institute

自閉症における嘘をつくということ:認知発達上のひとつの節目

ステファン(スティーブ)・エデルソン博士

自閉症の人たち多くが物事を「ありのままに話し」、嘘を言わないことで知られています。いつも真実を話すことは多くの場合、両親や教師にとって利点となります。しかし、嘘をつけないことは正常ではなく、他の子供たちと「かくれんぼ」のようなゲームをするときなど、状況によっては不適応となることがあります。

自閉症の人が嘘をつくことができない理由は「心の理論(theory of mind) 」と深い関係があります。自閉症の人たちの多くは他人もそれぞれ思考や感情、プラン、見解を持っていることを理解することが困難です。また、自閉症の人たちは、他人が自分たちの思考や感情、プランをわかっていると思っています。

嘘をつくことについてのケースでいうと、自閉症の人はできごとに二つの異なる物の見方があることを理解しなくてはいけません。実際の見方(例「私が(ぼくが)おもちゃを壊した」)や「嘘の」見方(例「他の子供がおもちゃを壊した」)があることです。また、親はこの「嘘の」見解だけを聞かされている場合があるなどです。この種の認知力は心の理論を持たない人たちにありません。なぜならその人たちは、他の人が自分たちが考えていることを知っていると信じているからです。

自閉症の人たちが嘘を言い始めるとき、自閉症を持たない子供たちのつく嘘と同様、他の問題や心配につながる可能性があります。と同時に、嘘をつくという行動の始まりは認知発達上の新しい節目に到達したとみなされ、祝福される理由ともなる得るわけです。